CSD材料
csd
CSD材料とは
金属の有機酸塩や化合物の溶液を塗布・焼成して薄膜形成を行う方法(CSD法)の材料を、CSD材料といいます。
CSD材料について
ディップコートやスピンコート法を用い、基板上に溶液を塗布し乾燥後に熱処理を施すことで、酸化物薄膜を簡単に形成することができる液体材料です。
機能性セラミックス薄膜の初期特性評価や可能性を探るための研究材料としてCSD材料は大変優れ、量産時の最大メリットは、材料コスト、生産装置や設備が安価なことにあります。
弊社のCSD材料は周期表を網羅する品揃えとなっており、多方面の研究者にご支援をいただいています。

形成方法
ディップコート法
塗布型材料溶液中に基板を浸漬し、ゆっくりと引き上げ、基板上に液膜を形成する方法です。

スピンコート法
基板を回転させ、その上に塗布型材料溶液を滴下し、遠心力により均一な膜を形成する方法です。

CSD材料の分類
MODコート材料
金属の有機化合物、主に有機酸塩を有機溶剤に溶解した溶液です。MODコート材料は、特に基板への濡れ性に重点がおかれており、各種ウェハー、SiO2基板、ガラス基板などの上に、スピンコートやディップコートなどの方法で簡単に塗布できるよう調製されています。
ゾルゲルタイプ
アルコキシドなどの金属の有機化合物を加水分解、重合させ、コロイド状にしたものを溶液中に分散させた材料です。有機酸のような高分子成分をほとんど含まず、溶液中の主成分そのものがセラミックスの前駆体を形成しているため、一般に低温成膜性に優れています 。


各種単金属酸化物や複合酸化物、微量元素のドーピングなど、用途に合わせた各種カスタマイズ品の製造から、共同研究開発、量産化対応の経験が豊富です。
CSD材料の例
PZT成膜用 コート材料
品名 | PZT-20 (110/52/48) など |
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分野 | エネルギー、マイクロマシン、高誘電体 |
用途 | 薄膜MEMS、不揮発性メモリ |
特徴 | 安定性が良好で試験研究用に最適です。 |

代表的なPZT系CSD材料
品名 | 焼成後酸化物 | 濃度 |
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PZT-20 | Pb(ZrTi)O3 | 20wt% |
PLZT-20 | (PbLa)(ZrTi)O3 | 20wt% |
PNZT-20 | Pb(NbZrTi)O3 | 20wt% |
PT-25 | PbTiO3 | 25wt% |
磁気ガーネット用コート材料
品名 | Bi-YIG など |
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分野 | 磁気光学、磁区観察素子 |
用途 | 磁気センサー、磁気イメージング |
特徴 | 大学との共同研究、開発が盛んです。 |
磁気光学効果を利用した磁場分布計測用磁気転写膜が挙げられます。
この技術は、非破壊検査の分野で期待されています。

ガーネット薄膜を使って可視化した 磁気カードの記録マーク
ゾルゲルタイプ コート材料
※スクロールしてご覧いただけます。
品名 | Si-05S、Ti-05-P など |
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分野 | 半導体、太陽電池、液晶パネル、板ガラス処理など |
用途 | ガラスコート材、保護膜、パッシベーションなど |
特徴 | 大学との共同研究、開発が盛んです。 |
