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設備紹介(遊星ボールミル) ― サブミクロンへの粉砕からメカニカルアロイまで!

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設備紹介(遊星ボールミル) ― サブミクロンへの粉砕からメカニカルアロイまで!

遊星ボールミルとは?

 「遊星ボールミル」とは、その名の通りボールミル(粉砕機)の一つです。「プラネタリーミル」や「プラネタリーボールミル」と呼ばれることもあります。容器の中に試料とボールを入れ回転させる、という基本的な原理は通常のボールミルと同様ですが、特徴はその動きで、試料を入れた容器自体の回転(自転運動)と容器を載せたステージの回転(公転運動)を組み合わせ、強力な遠心力を利用して短時間で細かい粉末を得ることができます。ただしその容器の密閉性から、以下のような試料では使用ができなくなっています。

※使用ができない物質例※
エネルギーが加わることで気体が発生する可能性がある物質
 例)水素化物、窒化物 など

 また粉砕された粉末が約1μmと微粉末になることから、以下のような材料では使用する際に細心の注意が必要となります。

※使用時に注意が必要な物質例※
微粒子化した際に自然発火する可能性がある物質
 例)酸化性物質(金属など) など

 

高純度化学研究所で所有している遊星ボールミルのご紹介

 弊社で所有している遊星ボールミルについてご紹介いたします。

容器およびボールの材質:
容器およびボールは、酸化ジルコニウム(ZrO2)素材のものを使用しています。
※粉砕エネルギーが高いため、硬い試料の場合はジルコニウム不純物として混入することがございます

容器サイズ:
500ccとなっております。

1バッチの処理量:
投入する試料の体積にもよりますが、上記容器1個で約150cc程度を処理することが可能です。
また1バッチで最大4個の容器が使用可能なので、最大で約600cc程度の処理が可能です。

粉砕時の雰囲気処理:
ご指定がない場合、通常は大気での処理となります。
ご要望に応じて不活性ガス雰囲気中での処理も可能ですが、容器を一度大気に出す都合上、完全な不活性ガス雰囲気での処理はいたしかねます。

粒度分布例:

[左] Co3O4 遊星ボールミル 処理前 [右] Co3O4 遊星ボールミル 処理後
※図中青い点線が1.0μmの位置となっております

 

遊星ボールミルを使用した合成のご紹介

 弊社では、遊星ボールミルを使用した粉砕のほか、遊星ボールミルを使用したメカニカルアロイングもご対応可能です。合金粉末の製造でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

メカニカルアロイング…
2種類以上の金属粉末から、ボールミルなどを用いて合金を作る方法。
比較的容易に融点の高い金属や比重の異なる金属の合金が作れるほか、熱を加えないため非晶質(アモルファス)の合金を作ることができます。



※こちらの紹介記事は2023年7月時点のものとなっております。最新の情報についてはお問い合わせください。
 →お問い合わせはこちら

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