CVD・ALD材料
cvd
CVD・
ALD材料とは
CVD材料とは蒸気圧を有する原材料をガス化させ、様々な条件下における気相中の化学変化を利用し、希望する物質を成膜するための材料です。
層間絶縁膜形成用材料
シリコン半導体用液体CVD材料のうち、現在使用されている金属有機化合物はTEOS、TMB、TEB、TMP、TMOP、TEOPが一般的です。
弊社は半導体デバイス用に現在最も大量に用いられているCVD材料であるTEOSのパイオニアであり、TEOSとともに用いられることが多いTEOP、TEBなどをはじめ、様々な種類のCVD材料を製造しています。
TEOSの詳しい情報はこちらをご覧ください。
CVD材料はシリンダーでの供給が一般的です。
使用量や装置仕様に合わせた設計・製作も可能です。
略称 | 化学式 |
---|---|
TMB | B(OCH3)3 |
TMP | P(OCH3)3 |
TEB | B(OC2H5)3 |
TEOS | Si(OC2H5)4 |
TMOP® | PO(OCH3)3 |
TEOP® | PO(OC2H5)3 |
ガラス製アンプルは、アルコキシド、ハロゲン化物の少量供給容器として最もよく利用されています。
ALD用材料
ALD法とは窒化膜や酸化膜を原子層で基板上に形成し、10nm程度の薄膜を制御よく作るのに用いられます。
材料としては、酸化剤と反応性が高く、金属アルコキシドのように、自己熱分解で酸化膜ができないものが適しています。
ゲート絶縁膜やバリヤ膜には窒化膜が有効であることから金属アミド、イミド、金属塩化物が用いられます。
金属アミドはM-NR1R2、金属イミドはM=NR、金属塩化物はMClxで表される化合物です。
TEMAZ、TDMAH、TBTEMT、ZrCl4、HfCl4、WCl6、AlCl3が一般的に使用されます。
主なALD用アミド化合物の物性
略称 | 化学式 |
---|---|
3DMAS | SiH[N(CH3)2]3 |
TDMAH | Hf[N(CH3)2]4 |
TEMAZ | Zr[N(C2H5)CH3]4 |
Taimata® | Ta(N-t-C5H11)[N(CH3)2]3 |
TBTEMT | Ta(N-t-C4H9)[N(C2H5)CH3]3 |
主なALD用ハロゲン化物の物性
化学式 |
---|
AlCl3 |
MoCl5 |
WCl6 |
HfCl4 |
ZrCl4 |
不揮発性メモリなどに使用される強誘電体用のMOCVD材料をご紹介します。
Pb(Zr,Ti)O3(PZT)用にはdpmのようなβ-ジケトネートや、高誘電体膜のTa2O5用にはTa(OC2H5)5が一般的に用いられます。
高・強誘電体
電極形成用材料 物性表
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式量 | 融点 | 蒸気圧 | 比重 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
Ta(OC2H5)5 PET CAS 6074-84-6 |
406.25 | 21℃ | log10P=12.645-4505/ (t+273.15) (P:Pa、t:℃) |
1.56 | 大気中の水分と反応し、 加水分解する。 |
Hf(O-t-C4H9)4 HTB CAS 2172-02-3 |
407.94 | 8℃ | log10P=11.265-3052/ (t+273.15) (P:Pa、t:℃) |
1.17 | 大気中の水分と反応し、 加水分解する。 |
Al(O-sec-C4H9)3 CAS 2269-22-9 |
246.32 | -60℃ | log10P=13.325-4698/ (t+273.15) (P:Pa、t:℃) |
0.937 | 大気中の水分と反応し、 加水分解する。 |
Ru(C5H4C2H5)2 CAS 32992-96-4 |
287.36 | 6℃ | log10P=11.875-3708/ (t+273.15) (P:Pa、t:℃) |
1.56 | 大気中で比較的安定。 |
Pb(C11H19O2)2 CAS 21319-43-7 |
573.73 | 130℃ | 昇華 log10P=20.545-7800/ (t+273.15) (P:Pa、t:℃) 蒸発 log10P=12.065-4480/ (t+273.15) (P:Pa、t:℃) |
1.52 | 大気中で比較的安定。 |
Zr(O-i-C3H7)(C11H19O2)3 CAS 343311-16-0 |
700.11 | >210℃ | log10P=19.735-7924/ (t+273.15)(P:Pa、t:℃) |
1.0 | 大気中の酸素、水分と 反応して分解する。 |
Ti(O-i-C3H7)2 (C11H19O2)2 CAS 144665-26-9 |
532.58 | 160℃ | log10P=14.855-5435/ (t+273.15)(P:Pa、t:℃) |
1.0 | 大気中の酸素、水分と 反応して分解する。 |
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