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様々な焼結方法とそれを可能にする装置たち

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様々な焼結方法とそれを可能にする装置たち

焼結技術とは?

酸化物等の粉末を融点より低い温度で焼き固めることで強度を高めるのが、焼結技術です。焼結現象は古くから盛んに利用され、陶磁器やセラミックスという形で親しまれてきました。しかし昔は自然環境中にある酸化物を原料としていたため純度が低く、作られた品物の用途も、容器などの単純なものに限られていました。

弊社が製造しているのはファインセラミックスやエンジニアリングセラミックスと呼ばれる製品です。これらの製品は、古くからある焼結技術と化学的に合成された高純度の原料との組み合わせによって、様々な機械的・電気的性質を持たせることができ、パソコンやスマートフォンなどをはじめとする様々な電化製品の電子部品として利用されています。

各種焼結方法と装置紹介

大気焼成法

大気焼成法は電気炉を用いて空気中で焼結を行います。電気炉内に大量の製品を納めることができるので大量生産に向いた焼結方法です。化学的に安定な化合物が得られるため、高温下や海水中など他の材料では変質してしまうような過酷な環境中で利用可能なセラミックスを得ることができます。

大気焼成で製造する製品の品位を高めるためには、高圧を材料に負荷することができる成型機と高温まで加熱することができる電気炉が欠かせません。

弊社設備は、最大約200MPaの高圧力と、最大1700℃の高温をそれぞれ作り出すことができます。また原料の調合から焼結まで一貫した対応を行うことで、複数の結晶構造を有する複合酸化物も製造が可能です。

製品例:TiO2(光触媒)、PZT(圧力センサ)、フェライト(ノイズ除去)

ホットプレス法

ホットプレス法は真空または不活性雰囲気、カーボン雰囲気の2つの雰囲気を材料に合わせて使いわけ、圧力を掛けながら、型を加熱し成形と焼結を同時に行う事が出来ます。真空および不活性雰囲気中での焼結では、材料が酸化することなく焼結を行う事ができ、カーボン雰囲気中ではガスなどを発生する材料(硫化物系など)の焼結が可能です。

弊社で材料調製をおこなっているため、様々な組成や元素の組み合わせに対応する事が出来ます。

また、最近では反応性の高い材料や発火性がある材料のお引き合いが多くなりましたので、ご要望にお応えできるよう、グローブボックスも設置いたしました。

製品例;高純度Mn(純度99.99%),希土類合金,金属系製品

放電プラズマ焼結法(SPS)

放電プラズマ焼結法は、真空または不活性ガス中で圧力を掛けながら加熱し、成形と焼結を同時に行う点ではホットプレス法と同じですが、加熱方法に大きな違いがあります。

ホットプレス法では、抵抗加熱や誘導加熱で型を温め材料に熱を伝えていきますが、SPS法はパルス通電加熱といい、電流を直接型に流すことで材料自体が自己発熱し、粒子間で発生するエネルギーで焼結されます。そのため短時間で焼結でき、高密度化や緻密化をしやすい焼結法です。

受託焼結について

各種焼結方法にて、お客様から原料粉末をご支給いただいての受託焼結も承っております。焼結条件等細かな調整にもできる限りご対応致しますので、お気軽にご相談ください。

焼結に関するお問い合わせはこちら

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