身の回りの薄膜~携帯電話編①~

携帯電話のこれまで
19世紀中ごろにアレクサンダー・グラハム・ベルやトーマス・アルバ・エジソンの活躍により電話機が発明されました。その後電話機は、通話しかできなかった時代から、今や誰もが携帯し、話す・聴くだけでなく、写真を撮ったり、情報をリアルタイムで可視化共有したりと、様々なアプリケーションを兼ね備えた小型PCにまで発展しています。
その進化には薄膜技術の支えがあります。
今回は携帯電話に使われている薄膜に着目してみたいと思います。
CMOSイメージセンサー
CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)とは、相補型金属酸化膜半導体のことで二酸化ケイ素(SiO2)などが使われています。CMOSイメージセンサーは、光を感知して電気信号に変え、画像化します。
高画質で高速読み出しができ、消費電力を抑えるよう工夫されています。
SAWフィルタ
SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタとは高周波化した電波を送信したり、安定した周波数を受信したりするための電子部品です。携帯のキャリアによって使用する周波数帯が異なるため、通信する際は必要な周波数の電波を送受信できるようにする電子部品が必要になります。
世界中の周波数帯に対応できるように、スマートフォンの中には数十個ものSAWフィルタが搭載されています。
タンタル酸リチウム(LiTaO3)やニオブ酸リチウム(LiNbO3)などが使われています。
透明導電膜
透明導電膜とは、電気を通すことのできる透明な膜のことです。液晶に触れると導電し、液晶を通して携帯電話の操作ができます。
主に酸化インジウム(In2O3)と酸化スズ(SnO2)の混合物である、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide)が使われているため、頭文字をとってITOと呼ばれています。
そのほかにも携帯電話には記憶する電子部品や、傾きを認識するセンサーなど、約800個もの電子部品が搭載されており、たくさんの素材の薄膜が使われています。
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